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ハサミは何本必要?

  • 2021.01.14

理美容師にとって、最も大切な仕事道具、それは“ハサミ” (シザー)です。
お客様の大切な髪をカットするハサミだからこそ、何を選ぶか重要です。

素敵なヘアスタイルの完成には、技術だけではなく『理美容ハサミ』の良し悪し、
また、それを適材適所(セニング、ウェットカット、ドライカットなど)に使えるかということも
ポイントになります。

長さ(インチ数)や、刃の種類、ハンドルの違いなど、本当に種類や数も豊富ですが、
理美容師さんは一人何本持っているのでしょうか?

理美容師の皆さんが、運命のハサミに出会えることを願っていますが、
少しでもこのコラムが参考になれば幸いです。

持っていた方がよいハサミの種類と本数

理美容師は、“ハサミ1つで商売している”と言っても過言ではありません。

ただし、“ハサミ1本”ではありません。

 

理美容ハサミは、様々な種類があり、それぞれの用途があります。

自分のカット方法や、作りたいイメージに合わせてハサミも変わってくるため、

理美容師さん一人あたり4~5本持っているのが平均的です。

 

【ハサミの種類】

■ベーシック:ベースカットや※ブラントカットに使用

□所持本数:平均2本

(※「ブラントカット」とは、髪の毛先を切りそろえたカットのこと。)

理美容ハサミの中でも、“スタンダード”なハサミ。

ハサミの足両方に刃がついているタイプで、刃の長さによってヘアスタイルも変わるため、

ベーシックのハサミを長さ別に持っている理美容師も多いです。

 

■セニング:長さは変えずに毛量の調整する時に使用

□所持本数:平均2本

長さは変えずに、毛量を少なくしたい場合に使用する、“スキバサミ”。

カット率に合わせてセニングを用意する必要がありますが、カット率20%~30%のセニングが

一般的に使われています。

その他カット率15%で前髪の微調整、カット率40%で髪の量が多い時や刈り上げる時に使用する

セニングもあります。

 

■スライド:髪に動きを出したい時やボリュームを抑えたい時に使用

□所持本数:平均1本

刃が片方のみについているハサミのことで、髪の毛を滑らしながらカットできるハサミ。

動きのあるスタイルにしたいときに使用します。

また、※スライド率が高いほどカットできる髪の量も少なくなります。

(※「スライド率」とは、髪が刃から逃げる割合のこと。)

 

■アール:細かなディテールを仕上げる際に使用

刃がアール状になっているハサミ。

スライドのように使うこともできますが、基本的には細かいディテールを仕上げる際に使用します。

 

~質の良いハサミを見抜くには~

刃の種類によっての違いもありますが、まずはストレス無くなめらかに切れる、

切れ味の良い理美容ハサミ選びが必要です。

 

①刃のかみ合わせはどうか?

セニングシザーの質が良いメーカーは、刃と刃のかみ合わせが良くできています。

 

②刃の切れ味の軽さはどうか?

「軽い力で切れるハサミ」はストレスを感じないため、女性は「軽さ」重視が多いです。

 

③刃の切れは長持ちするか?

鋼材は柔らかいほど切れ味が良いのですが、切れ味が衰えるのがとても早いです。

「鋼材」と「刃の仕上げ」による耐久性と切れ味のバランスが重要です。

買い替え時期は?

毎日使う理美容ハサミは、しっかりお手入れをして、長持ちさせたいですね。

 

~毎日のセルフチェックのポイント~

■乾いたティッシュをきれいにカットできるか

■ハンドルの開閉はスムーズか

■汚れは簡単にふき取れるか

 

~セルフメンテナンスで用意するもの~

■刃の拭き取りに使う『ハサミ用セーム革』

■汚れ落としのための『油』

 

~セルフメンテナンス方法~

①セーム革をハサミの根元から刃先に向かって動かし汚れを落とします。

拭いても落ちない汚れは、熱いお湯で一旦洗い流し、セーム革で再度水分を残さないように拭き取ります。

セニングは、クシの目に挟まった髪を取り除くのに歯ブラシを使うと良いでしょう。

 

②油をネジと支点の部分に1~2滴をさします。

油が刃の全体に行き渡るように、セーム革でしっかりと馴染ませ、

特に支点は最も汚れと金属疲労が溜まる場所であるため、何回か油をさして丁寧に汚れを落としてください。

 

③ネジの硬さを調節し、ティッシュを切って切れ味を確認しましょう。

刃先が滑らずにカットできればOKです。

 

使う頻度や扱い方によっても異なりますが、“ちょっと切りづらくなってきた”と感じたら、

早目にプロへ点検・メンテナンスに出しましょう。

 

~理美容ハサミは何回研げるか?~

■通常20~30回の研ぎが可能

 

このように、毎日お手入れを続けても、いつかは寿命がやってきます。

理美容ハサミの寿命は7~8年と言われています。

しかし、材質や日々のメンテナンスによって、年数は大きく変わってきますので、あくまでも目安です。

 

日本人をはじめとするアジア人の黒髪は白人に比べて硬くて太く、ハサミへの負担が大きいため、

『腱鞘炎』になりやすく、注意が必要です。

 

~理美容師の職業病『腱鞘炎』になりやすい人~

【第1位】ハサミのメンテナンスが不十分

【第2位】カットのムダな動きが多い

【第3位】カットの際にムダな力が入っている

 

腱鞘炎対策にも、メンテナンスが重要なんですね。

理美容ハサミは自己負担?

“理美容師さん一人あたり4~5本持っている” 理美容ハサミ。

もちろん、合計額はかなり高額になりますが、すべて自己負担なのでしょうか?

 

基本はすべて自己負担です

 

美容室によっては、半額くらい会社負担があるようですが、購入メーカーが限定されるので

自分の好きなメーカーを選べないといったデメリットがあります。

 

実は、理美容ハサミの他にも理美容師さんが自己負担で購入する物が、いくつかあります。

シザーケース(ハサミを入れるケース)

ダッカール(髪をとめるクリップ)

ブラシ

ゴム手袋

練習用マネキン(ウィッグ)

など、自分で使うものに関してはすべて自己負担で購入します。

すごい出費ですね!

 

すべて揃えるとかなり高額になるため、ローンを利用する理美容師さんもいます。

ただし、ハサミさえあれば、フリーランスでも働けますので、値段で決めるのではなく、

あくまでも使い心地や切れ味に注目しましょう。

 

また、もしハサミを落とした場合、落下の衝撃で刃が欠けてしまうと、ハサミ自体の寿命が縮まります。

そして、非常に繊細な調整が施されているので、一度の落下で調整が狂ってしまいます。

大事に使って長く付き合いたいですね。
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