理美容ハサミ(シザー)の消毒について
- 2021.04.14
理美容師さんにおかれましては、大切なハサミ(シザー)のメンテナンスのため、昨今はコロナウイルスからお客様とお店を守るため、ハサミの消毒を今まで以上にしっかりしたいと思っている方も多いと思います。
ハサミの正しい消毒・間違った消毒についてまとめました。
参考になりましたら幸いです。
目次
- 1 正しい消毒方法
- 2 紫外線殺菌
- 3 新型コロナウイルス対策
正しい消毒方法
正しい消毒方法
理美容ハサミ(シザー)の消毒には「消毒用エタノール」が効果的です。
ハサミ専用のものでなくても、手指の消毒に使用するもので大丈夫ですよ。
エタノールは金属を傷めないのでハサミの消毒に向いています。
<消毒・お手入れ手順>
<ポイント・注意点>
・ハサミに水分が残っていると刃が錆びてしまいますので、必ずセーム皮で水分を十分に拭き取りましょう。
・ハサミの刃で手を切らないよう、セーム皮を四つ折りにして拭くのをおススメします。
・消毒用エタノールでも、濃度が低いものや保湿成分が含まれているものは、すぐに蒸発せず錆びてしまうことがありますので、消毒後はしっかり拭き取りましょう。
・消毒用エタノールに浸けると、水分が残ってしまい、ハサミが錆びる可能性があるので推奨していません。浸けるのではなく拭き取ってください。
<セーム皮について>
セーム皮とは、小鹿の皮をなめしたとてもやわらかな皮のことをいいます。柔軟性があり、油分を含んでいるため、ハサミを傷つけずに付着した毛やほこり、薬品などを拭き取るのに最も適しています。
汚れたままのセーム革でハサミを拭き取ると、刃に傷がつくこともありますので常に清潔に保つようにしましょう。
汚れてしまったセーム革はお湯で石鹸を使い表面を優しく手洗いします。
洗い終わり後は、絞らずに、タオルなどを押し当てるように優しく水分を吸い取り、陰干ししましょう。
アイロンを使うのは厳禁です。
間違った消毒方法
・塩素で錆びてしまうので、「次亜塩素酸ナトリウム」は絶対に使用しないでください。
・煮沸や蒸し器を使った消毒は、ネジ部に水分が残り、錆びる可能性があるのでオススメしません。
・消毒後は必ず専用のシザーオイルを刃に付けて保管しましょう。
理美容ハサミ(シザー)の消毒には「消毒用エタノール」が効果的です。
ハサミ専用のものでなくても、手指の消毒に使用するもので大丈夫ですよ。
エタノールは金属を傷めないのでハサミの消毒に向いています。
<消毒・お手入れ手順>
- セーム皮を使って汚れを取る
- ガーゼにエタノールを湿らせて表面全体を拭く
- エタノールが完璧に乾いたら、水分が残らないようしっかり拭き取る
- 触点にオイルを塗る
- そのまま保管する場合は、刃(裏スキ面)にもオイルを塗る
- 使用する際は、オイルを拭き取ってから使用する
<ポイント・注意点>
・ハサミに水分が残っていると刃が錆びてしまいますので、必ずセーム皮で水分を十分に拭き取りましょう。
・ハサミの刃で手を切らないよう、セーム皮を四つ折りにして拭くのをおススメします。
・消毒用エタノールでも、濃度が低いものや保湿成分が含まれているものは、すぐに蒸発せず錆びてしまうことがありますので、消毒後はしっかり拭き取りましょう。
・消毒用エタノールに浸けると、水分が残ってしまい、ハサミが錆びる可能性があるので推奨していません。浸けるのではなく拭き取ってください。
<セーム皮について>
セーム皮とは、小鹿の皮をなめしたとてもやわらかな皮のことをいいます。柔軟性があり、油分を含んでいるため、ハサミを傷つけずに付着した毛やほこり、薬品などを拭き取るのに最も適しています。
汚れたままのセーム革でハサミを拭き取ると、刃に傷がつくこともありますので常に清潔に保つようにしましょう。
汚れてしまったセーム革はお湯で石鹸を使い表面を優しく手洗いします。
洗い終わり後は、絞らずに、タオルなどを押し当てるように優しく水分を吸い取り、陰干ししましょう。
アイロンを使うのは厳禁です。
間違った消毒方法
・塩素で錆びてしまうので、「次亜塩素酸ナトリウム」は絶対に使用しないでください。
・煮沸や蒸し器を使った消毒は、ネジ部に水分が残り、錆びる可能性があるのでオススメしません。
・消毒後は必ず専用のシザーオイルを刃に付けて保管しましょう。
紫外線殺菌
紫外線(UV)で殺菌する方法です。
消毒方法は、85μw/cm2以上の紫外線を連続して、20分間以上照射します。
紫外線が当たらない部分には殺菌の効果がないため、ハサミを開いて刃の表裏にまんべんなく紫外線が当たるようにし、陰になる部分は位置や角度を変えて何度か照射する必要があります。
そのため複雑な構造のものには適しません。
紫外線消毒器内の紫外線灯は、2,000~3,000時間で寿命を迎えるため交換が必要になります。
紫外線殺菌の消毒方法は、現在ではまだコロナウイルスに対しての効果は不明です。
しかし、ロタウイルスや、インフルエンザウイルスなどに対しては効果があると言われています。
そして理美容ハサミは、紫外線(UV)で耐食性がUPする場合があります。
消毒方法は、85μw/cm2以上の紫外線を連続して、20分間以上照射します。
紫外線が当たらない部分には殺菌の効果がないため、ハサミを開いて刃の表裏にまんべんなく紫外線が当たるようにし、陰になる部分は位置や角度を変えて何度か照射する必要があります。
そのため複雑な構造のものには適しません。
紫外線消毒器内の紫外線灯は、2,000~3,000時間で寿命を迎えるため交換が必要になります。
紫外線殺菌の消毒方法は、現在ではまだコロナウイルスに対しての効果は不明です。
しかし、ロタウイルスや、インフルエンザウイルスなどに対しては効果があると言われています。
そして理美容ハサミは、紫外線(UV)で耐食性がUPする場合があります。
新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルス対策として、理美容室においても衛生管理が重要とされています。
理美容院では感染者からの2次感染を引き起こさないためにも、規定に則った消毒方法で衛生の向上と確保を徹底しなければなりません。
しかしながら直接肌に触れない理美容ハサミについての減菌、消毒、クリーニングなどの方法については規定がありません。
デリケートな理美容ハサミの殺菌方法について、ハサミに損傷を与える可能性についても言及されていないことが多いのが実状です。
理美容師法によって規定されている消毒方法は何種類かありますが、ハサミにダメージを与える可能性があるものはおススメできません。
ステンレス製のハサミは煮沸や、蒸し器を使った消毒がよいのではないかと思われる方も多いと思います。
しかし、前項でも記述しましたが、水分が残っていると腐食が発生する可能性があります。
ネジ部の水分を拭きとるためにはその都度分解をしなければならず、ハサミの分解を何度もするのは現実的でないため、あまりおススメできません。
やはりコロナウイルス対策の観点から鑑みても理美容ハサミの消毒、メンテナンスはエタノール消毒がよいでしょう。
前項でも簡単にご説明しておりますが、市販されているアルコールウエットティッシュやエタノールの中にはアルコール濃度が低く、中には保湿剤が入っているものがあります。
これらを理美容ハサミの消毒に使用した場合、ハサミの表面に水分が長時間付着する結果となり、拭き取りが不十分だと表面に付着した水分により、腐食を引き起こす可能性があります。
市販品を使用する際には内容成分のチェックと拭き取りを徹底しましょう。
いかがでしょうか?
理美容師法の殺菌消毒方法でも、水分の拭き残しなどから、ハサミにダメージを与えてしまう可能性もあります。
大切なハサミの消毒には十分に注意していきたいですね。
参考文献
・吉田製薬株式会社:「コロナウイルスの消毒感受性について」Y’s letter Vol.4No.20 (2020).
・IDSC(感染症情報センター) http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/desinfect04a.html
・感染症法に基づく消毒・滅菌の手引きについて:健感発1227第1号 (2018)
・丹野 和夫:ターボ機械, 24-5 (1996), 257-
・白石 正・仲川 義人:環境感染,14-4 (1999) ,275-279.
・岡田 達弘:Boshoku Gijutsu,36,(1987)383-392.
・モラコット・サクニミット・稲月一高・杉山芳宏・八神健一:Anim., 37 3 (1988), 341-345.
・“Scientific evidence of effectiveness of energy-rich UVC irradiation at inactivating Corona SARS-CoV-2 virus” Dr.Hönle AG ,Press Release,May 19 (2020).
・藤本 慎司:Zairyo-to-Kankyo, 51 (2002),453-457.
理美容院では感染者からの2次感染を引き起こさないためにも、規定に則った消毒方法で衛生の向上と確保を徹底しなければなりません。
しかしながら直接肌に触れない理美容ハサミについての減菌、消毒、クリーニングなどの方法については規定がありません。
デリケートな理美容ハサミの殺菌方法について、ハサミに損傷を与える可能性についても言及されていないことが多いのが実状です。
理美容師法によって規定されている消毒方法は何種類かありますが、ハサミにダメージを与える可能性があるものはおススメできません。
ステンレス製のハサミは煮沸や、蒸し器を使った消毒がよいのではないかと思われる方も多いと思います。
しかし、前項でも記述しましたが、水分が残っていると腐食が発生する可能性があります。
ネジ部の水分を拭きとるためにはその都度分解をしなければならず、ハサミの分解を何度もするのは現実的でないため、あまりおススメできません。
やはりコロナウイルス対策の観点から鑑みても理美容ハサミの消毒、メンテナンスはエタノール消毒がよいでしょう。
前項でも簡単にご説明しておりますが、市販されているアルコールウエットティッシュやエタノールの中にはアルコール濃度が低く、中には保湿剤が入っているものがあります。
これらを理美容ハサミの消毒に使用した場合、ハサミの表面に水分が長時間付着する結果となり、拭き取りが不十分だと表面に付着した水分により、腐食を引き起こす可能性があります。
市販品を使用する際には内容成分のチェックと拭き取りを徹底しましょう。
いかがでしょうか?
理美容師法の殺菌消毒方法でも、水分の拭き残しなどから、ハサミにダメージを与えてしまう可能性もあります。
大切なハサミの消毒には十分に注意していきたいですね。
参考文献
・吉田製薬株式会社:「コロナウイルスの消毒感受性について」Y’s letter Vol.4No.20 (2020).
・IDSC(感染症情報センター) http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/desinfect04a.html
・感染症法に基づく消毒・滅菌の手引きについて:健感発1227第1号 (2018)
・丹野 和夫:ターボ機械, 24-5 (1996), 257-
・白石 正・仲川 義人:環境感染,14-4 (1999) ,275-279.
・岡田 達弘:Boshoku Gijutsu,36,(1987)383-392.
・モラコット・サクニミット・稲月一高・杉山芳宏・八神健一:Anim., 37 3 (1988), 341-345.
・“Scientific evidence of effectiveness of energy-rich UVC irradiation at inactivating Corona SARS-CoV-2 virus” Dr.Hönle AG ,Press Release,May 19 (2020).
・藤本 慎司:Zairyo-to-Kankyo, 51 (2002),453-457.