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メーカーによる理美容ハサミ(シザー)の研ぎ~研磨には、各メーカーの技術・こだわりが詰まっています メーカー紹介その2

  • 2021.03.25

前回は、メーカーによる理美容ハサミ(シザー)の研ぎ技術やこだわりなど「株式会社ヒカリ」「株式会社ナルトシザー」「株式会社東光舎」の3社をご紹介いたしました。

今回は、前回に引き続きHSC参画メンバーの2社をご紹介いたします。
「株式会社内海」「株式会社山村製作所」です。

どちらも老舗のハサミメーカーです。
理美容師さんのために、ハサミ研ぎの技術を日夜磨いています。

株式会社内海

株式会社内海の創業は30年以上前です。

「切るための道具」を作るのではなく、「切ることではじまる世界」を創造しています。

職人のあたたかな技術が、繊細で強靭なハサミをつくりあげていきます。

 

手作りシザーが当たり前だった創業当初から、CNC研刷機を導入して品質の安定化を図り、お客様にお求めいただきやすい価格の提案を業界に先駆けて進めてまいりました。

 

その一方で、新しい技術の導入のみに流されることなく、日本古来からの刃物造りの伝統をしっかりと守り受け継いでいくために『着鋼』の技術を若手職人に伝えることも忘れませんでした。

 

研ぎの技術やこだわり

 

刃物である以上切れ味が良くないといけない、すなわちメンテナンス(研ぎ)は必須であると考えています。

 

スタイリスト(理美容師)様あっての弊社ビジネスです、弊社製品以外のシザーでもお客様のご希望があればメンテナンスするよう心がけています。

 

まず、お預かりした商品の状態を入念にチェックしどのようなメンテナンスが必要かを確認します。

そのうえで必要であれば弊社よりお客様にご連絡し、状態やメンテナンスのご希望を伺ったり、メーカーとしての意見をお伝えしたりして実際の作業にかかることもあります。

 

また、お預かりしているシザーはスタイリスト様それぞれ思い入れのある商品だということを念頭に間違いのないようお客様のお手元にお届けできるよう技術者のみならず出荷係までひと手間を惜しまないことを心掛けています。

 

職人の特徴

 

職人の数は約10名です(生産現場も含む)。

年齢構成は20代から40代で、職人歴は1年生から20年を超えるベテランまで幅広く分布しています。

 

修理依頼本数

 

年間のメンテナンス数は理美容学校様も合わせると約10,000丁弱となります。

株式会社山村製作所

株式会社山村製作所は、創業70年。

理美容ハサミ・利器材に特化した製造メーカーです。

鋼材の販売から製品化までの全工程を当社内で一貫生産しております。

 

研ぎの技術やこだわり

 

製造メーカーが研いでいるため、新品を作成する事と同じ工程を行っています。

 

1.分解
ハサミをパーツごとに丁寧に分解します。
(中には分解しないで研ぐ研ぎ師さんもいるようです)

2.傷取り磨き、
ハンドルや鋏体についている細かい傷を磨いて除去します。
(自動車でも傷があると嫌ですよね。細かい傷であればここで除去します。

3.洗浄
超音波洗浄機を使い、汚れを除去します。
(こびりついた汚れも特殊な薬液を使っているのと、超音波できれいになります。)

4.調整
ハサミのバランスを光にかざしながら調整いたします。
(バランス調整は職人の技術が必要です。鋏を診断し中には叩けないものもありますが、基本叩いてバランス調整いたします。)

5.刃付け、研磨
ハサミの形状に合わせ、刃付け、研磨を行います。
(多くの研ぎ師さんが刃を削りすぎています。当社では基本”研ぐ”ということと”削る”ということは違うと考えます。そのため、欠けなどの大きな欠損がない場合は、研ぎが終わった後も見た目は新品と変わりがありません。)

6.組立て、検品
ハサミを組立てて、テストカットを行い検品をいたします。
また、組立て時に部品交換が必要な物は交換いたします。
(自社製品の部品は常に持っていますので、代替え可能です。大きく破損している場合は別途料金がかかる場合もあります。)

 

職人の特徴

 

メンテナンスに携わっている職人は4~5人です。

30代~60代まで5年~20年在籍しています。

 

納期

 

シーズンにより異なりますが、最長で2週間です。

ただし、当社KEIUNの鋏に関しては代替えシザーサービスを行っていますので、メンテナンス時に手からハサミが無くなることはありません。

 

修理依頼本数

 

生産が主なため、月間修理本数は100~150丁程度です。

まとめ

今回「理美容ハサミの研ぎ、各メーカーの技術・こだわり」について、メーカー紹介その1とその2をご紹介させていただきました。

 

■株式会社ヒカリ

高い技術力だけで成り立っているわけではなく、それを支える「すべての理美容師さんにいいハサミを使ってもらう」という強い使命感を抱き日々作業されている。

 

お客様第一主義が感じられますね。

 

■株式会社ナルトシザー

製造したすべての理美容ハサミにシリアルナンバーを刻印し、使用者ごとにカルテを作成している。

 

使用状況など即座に把握してくれるため、理美容師さんはありがたいですね。

 

■株式会社東光舎

裏スキ加工を安定した状態で手作業によって行うことができる職人がいる。

 

大正6年からの技術をずっと継承しているのは、さすがですね。

 

■株式会社内海

お預かりしているシザーはスタイリスト様それぞれ思い入れのある商品だということを念頭に間違いのないようお客様のお手元にお届けできるよう技術者のみならず出荷係までひと手間を惜しまないことを心掛けている。

 

理美容師さんの相棒、大切なシザーも安心して預けられますね。

 

■株式会社山村製作所

基本”研ぐ”ということと”削る”ということは違うと考える。

 

素人では発想できない、深みのあるプロの言葉ですね。

 

 

どちらの企業もお客様第一に考え、またとても頼れる職人さんが一丁ずつ丁寧に扱い、仕上げています。

 

日本人は手先が器用とよくいいますが、その中でも精鋭の職人さんが長い年月をかけ技術を磨いているんですね。

 

かかりつけ医のような存在で、ハサミの使用状況や状態を常に把握してくれているのはとてもありがたいことです。

 

とても丁寧に研いでくれることを考えると、とにかく大事に使い、毎日のセルフメンテナンスは欠かせないですね。

 

日本のハサミの歴史は、刀から始まりました。

シザー自体も日本は世界一の品質と言われています。

 

刀作りから学んだ伝統をぜひ後世に残したいですね。
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