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ハサミの種類

  • 2021.01.14

理美容師の最も大切な仕事道具といえばハサミ、そのハサミは理美容師の腕を左右するとも言われています。

そして理美容師のほとんどが1本だけではなく4~6本程度の理美容ハサミを持っているのはなぜなのでしょうか。
理由は、理美容ハサミの素材や刃の形状によってできるカットやヘアスタイルが変わってくるからです。

大切なお客様の髪をカットする仕事だからこそ、理美容ハサミの素材や形状など細部にまでこだわり、
理美容ハサミを使い分け最高のサービスを提供しているのではないでしょうか。

理美容ハサミの材質や形状、使い分け方法などについてご紹介します。

材質の特徴

ハサミにはさまざまな素材が使われており、素材により価格や耐久性などの違いがあります。

主な素材の特徴をまとめました。

 

●ステンレス鋼

「サビにくい合金」がステンレス鋼です。

サビやすい素材の鉄に、サビにくい素材のクロムやニッケルを混ぜることで、サビに強い「ステンレス鋼」が作られます。

濡れた髪をカットすることも多い理美容師にはとても扱いやすい、なくてはならない素材です。

きちんと管理していれば長く使えるステンレス鋼ですが、ステライトやハイス鋼などの素材の理美容ハサミに比べると

耐久性が低いかもしれません。

他の素材よりリーズナブルです。

 

●コバルト系ステンレス鋼

コバルトは非常に硬い素材です。硬い素材なのでステンレス鋼よりも長く使用できます。

コバルトの含有率により硬さも変わり、価格も変わってきます。

 

●ステライト(コバルト合金鋼)

コバルトが主成分で、30%のクロムと4%~15%のタングステンが含まれているので、硬く摩耗しにくいため、

刃こぼれしにくく長く使用できます。

サビない、磁石につかないのも特徴です。

 

●ハイス鋼(高速度鋼)

不純物が少なく、耐久性が高く摩耗に強い素材です。

粉末状の鋼材を素早く焼いて固めるという難しい製法で作られるので「粉末微粒子鋼」とも呼ばれています。

ハイス鋼は加工しにくい素材なので、メンテナンスはハイス鋼の理美容ハサミを扱い慣れている職人に

お願いするのが良いようです。

 

●ダマスカス鋼

とにかく硬いので、加工が難しい素材。現在、理美容ハサミの素材として最も耐久性があります。

長く使えるだけではなく、金属が何層にも重なったような波状の美しい模様も特徴。

太い毛束でも切れる確かな手ごたえを感じさせる切れ味、そして長持ちする理美容ハサミがほしい方にオススメです。

刃の形状とハンドルの形状

理美容ハサミは素材も様々ありますが、刃の形状、ハンドルの形状も様々です。

 

【刃の形状】

刃の形状により切れ味や感触が違ってきますので、代表的な刃の形状をご紹介します。

●直刃

刃線がほぼ直線

刃元から刃先までほぼ直線の刃がついているので、毛が逃げにくく真っ直ぐに切れやすい。

刈上げ、ブラントカット、チョップカットに向いています。

 

●柳刃

刃線の中央に向かって緩やかなカーブを描いている形状。

直刃と笹刃の中間的な理美容ハサミで、ベースカットにも質感や毛量調整にも使えます。

ブラントカット、チョップカット、スライドカットでも使用可能。

真っ直ぐに柔らかく切れます。

 

●笹刃

刃線が大きくカーブしている笹の葉に似ている刃。

毛が逃げやすいのでストロークカット、スライドカット等に向いています。

質感の表現に動きが出しやすい細かなカット、毛量調整が可能。

 

【ハンドルの形状】

理美容ハサミは長く使うため、ハンドルが合っていないと使いつづけられません。

自分にあったハンドルを選ぶことがポイントです。

 

●オフセットハンドル

指をいれるハンドルの穴が段違いにずれているので、静刃が安定しやすい構造。

親指の穴が内側にあるので、手にフィットしやすいので開閉もしやすいです。

 

●メガネハンドル

指を入れるハンドルが左右対称で、理美容ハサミのネジ部分から二等辺三角形になっています。

左右対称なので表裏なく、正刃でも逆刃でも使うことが可能なので色々な持ち方ができるも特徴です。

ハンドルで手が固定されないので、色々なカット技法ができます。

 

●3Dハンドル

親指の穴部分にねじりがあり、立体的なハンドル。

しっかり手や指をホールドしてくれるので、長時間使用しても疲れにくいハンドルです。

長時間作業や安定したカットをしたい方におすすめです。

理美容ハサミは用途によっての使い分ける

カット用の理美容ハサミは大きく分けてベーシック、セニング、スライドの3種類あります。

 

●ベーシック

理美容ハサミの足部分の両方に刃がついている最もスタンダードなハサミ。

さまざまなカットに使えるハサミですが、主にベースカットやブランカットの時に使います。

 

●セニング

片方の刃がクシ状になっているので、髪の量を調節する時などに使います。

ヘアスタイルに合わせて、一度のカットで切れる割合表す「カット率」を選んで使い分けることができます。

カット率15%程度は前髪や全体の微調整、一般的にはカット率20~30%程度のセニングを使い、

カット率40%程度は髪の量の多い人や、刈り上げの時などに使用することが多いようです。

 

●スライド

片方にしか刃がついていないハサミ。

片方にしか刃がないため、髪の毛を滑らしながらカットができるので、髪のボリュームを調整したり、

フワッと動きのあるスタイルや、毛先を華奢な質感に仕上げたい時などに使えます。

スライドを購入する時はスライド率に気をつけましょう。

「スライド率」は髪が刃から逃げる割合のことで、スライド率が高いほどカットできる髪の量が少なくなります。

 

理美容師が使う理美容ハサミの種類はバリエーション豊富です。

理美容ハサミの材質や形状などの特徴を理解して用途を使い分けることは大切ですが、

理美容ハサミ選びのポイントは自分の手になじむかどうかです。

理美容師の大切な仕事道具であるハサミ、自分の手になじむ運命のハサミに出会えると良いですね。
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